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住宅・山林・食品等における放射能測定情報

H24.3.5(月) ◎切干大根の放射能について

  当社に検査依頼があった切干大根(いわき市内産)から、876(Bq/kg)と高濃度
 の放射性セシウムが検出されたことから、その内の1点について追跡調査を実施する
 とともに、その要因を推察しましたのでご依頼者様のご了承のもとご紹介いたします。
 
 1
.依頼品の検査結果
   ○切干大根
   
検査日  平成24年 2月28日
   
検査時間 60分
   加工方法 自宅にて天日干し(但し、地面ではなく台の上で乾燥)
   放射能濃度の単位: (Bq/kg)
   誤差  : 3σ

部位
供試量
(kg)
CS-134濃度
 ( ):検出限界
CS-137濃度
 ( ):検出限界
CS合計
一式
0.160
354±132
(107)
522±129
(95.7)
876±185
 
 
2.原材料の大根を当社加工により検査した結果
 ○生大根 
    2本の大根を約10~15cm程度ずつ上部、中間部、先端部に3分割してミ
  キシングし、水分と繊維部分に分離して検査を行った。
   検査日 : 平成24年 3月 2日
   検査時間 60分
   放射能濃度の単位: (Bq/kg)
   誤差  : 3σ

【水分(絞り汁)】             

部位
供試量
(kg)
CS-134濃度
 ( ):検出限界
CS-137濃度
 ( ):検出限界
CS合計
上部
0.424
N・D
(24.5)
18.7±8.08
(12.2)
18.7±8.08
中間部
0.813
N・D
(14.0)
N・D
(13.5)
N・D
先端部
0.795
N・D
(14.9)
N・D
(14.5)
N・D

【繊維(乾燥前)】                   

部位
供試量
(kg)
CS-134濃度
 ( ):検出限界
CS-137濃度
 ( ):検出限界
CS合計
上部
0.412
N・D
(24.0)
N・D
(23.0)
N・D
中間部
0.577
N・D
(18.4)
N・D
(17.3)
N・D
先端部
0.457
N・D
(22.8)
N・D
(21.8)
N・D

  
【繊維(乾燥後=疑似切干大根)】
 上記【繊維】の3部位を混合し、放射能の影響の無い屋内で加熱乾燥

部位
供試量
(kg)
CS-134濃度
 ( ):検出限界
CS-137濃度
 ( ):検出限界
CS合計
全体
0.273
N・D
(37.2)
N・D
(35.5)
N・D


【大根を収穫した畑の土】※参考

部位
供試量
(kg)
CS-134濃度
 ( ):検出限界
CS-137濃度
 ( ):検出限界
CS合計
表面5cm
1.157
187±46.3
(27.2)
201±44.1
(27.4)
388±63.9

 
【検査結果からわかること】
  生の大根を切干大根に乾燥加工すると体積が約5~6分の1に減容するため、放射
能の濃度は逆に5~6倍になると予想されます。
 例えば、生の大根が10ベクレル程度の比較的低い濃度の放射能を含んでいたとして
も、約60分程度の検査の場合は検出限界以下でN・Dとなりまが、切干大根にする
ことで乾燥濃縮されることで、検出限界を超えた50~60ベクレルの数値として検
出されます。
 しかし、今回の試料となった生大根の放射性セシウム濃度は1kgあたり最大18.7ベ
クレルですから、減容によって濃縮される放射性セシウムの量は最大でも約112ベ
クレルですので、「876ベクレル」を検出までには至りにくいと考えられます。
 従って、検出された放射能の大部分は天日干しの際に付着したホコリや塵芥などに影
響された可能性が高いと推測されます。

【対策】
  天日干し中に放射性セシウムを含んで浮遊したり、移動しているホコリや塵埃の付
着を避けるめ、屋外での天日干しは避け、外気が侵入せずホコリの少ない環境を利
用しましょう。※他の食品類も同様です。
 また、食用とする野菜・根菜類は十分に水洗いし、特に土中で生育する根菜は皮を丁
寧に剥くようにしましょう。

H24.2.3(金) ◎住宅地内の畑の放射能

  いわき市大久町大久地区の住宅敷地内にある畑(自家用)の土壌の放射能量の検査
 依頼がありました。ご依頼主様のご了承のもとでその結果を紹介します。

  検査日   平成24年 1月31日(火)
  検査時間     10(分)
  供試料   0.855(kg)※表土部分
 
  〇放射能定量 CS-134 : 1.09E+03 ⇒  1,090(Bq/kg)
        
 CS-137 : 1.43E+03 ⇒  1,430(Bq/kg)
                 (T)    2,520(Bq/kg)

  春野菜の種まきや苗の植付けを行う前には土壌の汚染状況を確認し、高い濃度の汚
 染があった場合にはその部分を掻き取るなどして除去することが必要です。畑を畝う
 前に前に表土の3~5cm程度の除去を行うことで一定の除染効果を生みます。
 ※放射性セシウムは土壌の表面から3~5cmの深さまでにその大部分が堆積して
  り、それ以の深さ では比較的低い濃度になっている傾向にあります。これは水
  田においても同様です。

H24.2.2(木) ◎腐葉土の放射能

金ケ沢地区山林内の腐葉土の放射能

  一般からのご依頼により、金ケ沢地区山林の放射線
 ・放射能量の調査を実施しました。ご依頼主様のご了
 承のもと、一例を紹介いたします。
 ○調査日  平成24年 1月26日(木) 晴れ
 ○調査場所 いわき市久之浜町金ケ沢字小浜
 ○現 況  山林
 
杉林内の腐葉土
  放射線量  (μSv/h)
  ◇地表より100cm:1.22 地表より1cm:1.45
  放射能定量 (Bq/kg) 
  ◇GL-5cm        ◇GL-5~-10cm  
   CS134:1.57E+04⇒15,700  CS134:5.38E+02⇒ 538 
   CS137:2.08E+04⇒20,800  CS137:6.77E+02⇒ 677
         (T)36,500        (T)1,215
                            
落葉樹林の腐葉土
  放射線量 (μSv/h)
  ◇地表より100cm:0.88 地表より1cm:1.06
  放射能定量 (Bq/kg) 
  ◇GL-5cm        ◇GL-5~-10cm 
   CS134:1.07E+04⇒10,700  CS134:4.84E+02⇒ 374
   CS137:1.42E+04⇒14,200  CS137:3.74E+02⇒ 484
         (T)24,900        (T) 858

 上記の分析結果によると、表土から約5cmの範囲内に高濃度のセシウムが堆積していることがわかります。

 この地域は「末続地区の塩民川」と「金ケ沢地区の藪川」の源流域に位置し、二つの河川の分水嶺にあたる山域となっていて、流水は農業用水として利用されるとともに、住宅地区を流れて太平洋に至ります。
 今後(特に降雨後など)はこの地域からの沢水や湧水の放射能濃度を注視して参ります。

H24.1.24(水) ◎民家の雨どいから高濃度の放射能を検出

  いわき市大久町小久地区の民家の雨樋を掃除(除染)した際に回収した塵芥を検査
 したところ、セシウム134とセシウム137の合計が10万ベクレルを超える数値
 となりました。

   検査日   平成24年 1月15日(日)
   検査時間     10(分)
   供試料   0.341(Kg)
 
   ○放射能定量 CS-134 : 4.86E+04  ⇒  48,600(Bq/kg)
          CS-137 : 5.66E+04  ⇒  56,600(Bq/kg)
                 (T)     105,200(Bq/kg)   

  当社におけるこれまでの同種の検査データの内でも高い数値であり、屋根や屋上など
 には高線量の堆積物の残留や濃縮の進行があると言えます。
 各個人や事業者において各施設や住宅の除染作業を行っておられると思いますが、作業
 時の装備を万全にして内部取込みや身体汚染を防止するとともに、回収物は厳重な管理
 を行う必要があります。
 特にダスト(ホコリ)が飛散する作業を行う際には性能の良い防塵マスクゴーグル
 使用は必須となります。作業中・作業後の「うがい」や「洗顔・手洗い」「衣服の着替
 え」を心掛けましょう。
 
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